商学博士

                        法学博士  斎 藤 榮 三 郎

                        文学博士

 「座右の書」


 銀染、河野景近さんと親しくなったのは「時事放談」で細川隆元先生のお相

手を勧めていた頃のことであるから、もう二十五年前のことになる。細川隆元

先生からあの男は信頼に値いすると紹介された。確かにその通りで、銀染さん

は、言うことは実行する。そして人の世話をよくする人である。真に九州男子

の標本である。

 彼が長い間の体験からまとめたのが、この本である。銀染さんは他人の本か

ら知識を得るのではなしに、自分の血のにじみ出るような体験からこの本をま

とめたのであるから、読む人の心を打つものがある。この本が、広く読まれて

人生の指針となり、経営の基盤が固まるように役立つことを心から祈るもので

ある。

 本を書くということは、女がお産をするのと同じことである。しかし、その

本が広く読まれることは、自分の子供がすくすくと育っていくのをみるように

うれしいことである。

 この本が広く読まれるであろうことを私は確信する。それは内容がいいから

である。


昭和五十七年七月七日


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