二人の社員が

同じ事柄を同時に失策いたしました。

社長が一緒に二人を呼んで注意をしました。

A社員は「社長から注意された!」と言いました。

B社員は「社長から叱られた?」と言いました。

社長から同じ言葉で一緒に注意されても

A社員は〈注意された〉と思って反省します。

B社員は〈何で注意され〉たのか意味がわからない。

A社員は素直な賢い社員であります。

B社員は反抗的なゆえに愚かな社員であります。

この時点で、

両名の未来の運命は決定しているようなのです。

商いをするのにギャグ(目玉商品)だけでは

長つづきはしないものです。

ギャグはもともと演劇等で本筋の間で

お客を笑わせるサービスであります。

なにも客引きだけを目的ではありません。

 

商いでも同じようなもの、

ギャグ(目玉商品)だけに集まるような

お客様は大したものではないのです。

でも、こちらの望む商品を買っていただく

お客様にはギャグも必要なのです。

ギャグだけを望むお客様だけでは店は潰れます。

売ることだけなら素人にもできるが、

仕入れは玄人でなければ出来ません。

 

商品の品揃えは

商品知識にうといお客に代って仕入れるもの。

商品知識がなければお客さまを瞞すことになる。

仕入れは、お客に代わって商品知識を身につけた

玄人でなけれねばならないのです。

 

仕入れがしっかりした値打ちがある品であれば、

商品知識がない新人社員が売っても、

お客様を騙したことにはならないのです。

仕事をすることは義務であります。

遊びは義務を行なっている者の権利であります。

〈義務が先か?、権利が先か?、〉は、

〈鶏が先か?、卵が先か?〉を

議論するに等しいものです。

 

〈権利を先に行なう〉ことは、

先に借金をしてからその借金返済のために

働いているのに等しいことになります。

〈義務を先に行なう〉ことは、

先にお金を貯めて、次ぎの英気を養うために

遊んでいるのに等しいことになります。

食べるために生きてるのではない。

でも、生きるためには食べていかねばならない。

何れにしても、同じ食べるなら

美味しいものが欲しいのが本能です。

だから美味しいものが欲しいなら、

それを満たすだけの努力が必要です。

欲の本能の欲のほうが総てを狂わしています。

 

商売も同じようなもので、

儲けるための商いであってはならないのです。

商いにはいろいろと経費が必要だから

そのために儲けが必要となるのです。

同じ商品が、同じ価格であっても

〈安く感じる店〉と〈高く感じる店〉があります。

〈同じ品なら安く、同じ価格なら良い品〉と

感じる店と

〈同じ品なら高く、同じ価格なら悪い品〉と

感じる店の二通りの店があります。

 

〈同じ品なら高く、同じ価格なら悪い品〉の

店は徐々に寂れはじめたので、

急いで〈同じ品なら安く、同じ価格なら良い品〉へ

切り替えましたが閉店に追い込まれました。

閉店に追い込まれた店は委託販売方式でした。

賢い経営者は過去と現在を見定めて歩いています。

並の経営者は現在と未来を見て歩き出します。

愚の経営者は現在がわからずに突っ走ります。

   

経理を正しく明確に把握していないのは、

真っ暗な夜道に迷った旅人に等しいものです。

目的地に正しく行き着くために、

先ず明るい足下の灯しびを必要とします。

明るい灯しびとは数字に強くなることです。

計算が上手だから〈数字に強い人〉と言えません。

〈数字に強い人〉とは、

貸借対照表がわかり洞察力のある人を指すのです。

店が大へん混んで人手不足を理由に、

一番忙しいときに合せた人員を揃えたら、

人件費がかさみやがてその店は潰れました。

賢い経営者は、

暇なときの人員のままで増員しなく、

忙しいときにその人員でどう対応するかを

考えていたので人件費がかさまなく繁盛しました。

 

社員を楽な仕事に慣らすことは容易いことですが、

苦しい仕事に慣らすことは難しいことです。

だから一旦、楽な仕事に慣らしてしまえば、

もとに戻すことはなかなか難しいことであります。

どんなに繁盛している店であっても、

経営者がそれに釣り合わねばその店は潰れます。

店を繁盛さるのは経営者ではなくお客さまであり、

店を繁盛させなく潰すのもお客さまであります。

 

価値があっても、それをタダでやったら

その価値が疑われるものです。

ダダは価値がわかる者だけにやるとよいのです。

 

経営コンサルタントの助言は無責任であります。

評論家の予想は占い師と同じようなものです。

批評家の毒舌は「なるほど!」と為になります。

技術畑出身の経営者は〈完全主義〉をとります。

事務畑出身の経営者は〈絶対主義〉をとります。

何れの主義も悪くはないが、

それが基で成長を阻むことがあります。

だから、ホンダやソニーのような技術畑の

経営者は事務畑のよいところを見習いました。

ものごとが完全であった上に絶対ならば

事業はこの上もなく成長するものです。

 

後輩を引き立てない者は先輩の資格はありません。

子分の富を優先しているのが侠客の親分です。

自分自身の富を優先するのは暴力団のボスです

繁盛しない店に〈欠点があるとき〉は、

その欠点を改めることにより

繁盛させる手段がありますが、

繁盛しない店に〈欠点がないとき〉は、

その欠点を改めることができないので、

繁盛させる方法がありません。

 

人材は育てるものではなく発掘するものです。

自ら努力をするために生れてた人物が、

店長が〈私がした〉と己の手柄にしているから、

良い人材が発掘されていないでいます。

よい人材でも認めてやらねば辞めていきます。

武士道は失敗して腹を切り死ねば美談となります。

商人は失敗してから自殺をすれば恥じとなります。

 

成功すれば何人でも立志伝中の人といわれます。

倒産すれば何人でも放漫経営者といわれます。

 

独立は如何なる資力より脳力を必要とします。

愚者は目先の日銭だけを資本にして独立します。

 

物事は〈説得〉ではなく〈納得〉の合意であり、

「契約書」とは、申入れに対して承諾をした

双方の合意によって成立するものであります。

初客を見かけや言葉使いで差別をしてはならない。

上客と思い応対して何も買わなくても

損はしないものです。

 

〈何も買わない〉お客に対し

「ありがうございます!」と、

〈何も悪いこと〉をしていなくとも

「どうもすみません!」と、

謝り言葉を言わねばならないのが

昔からの〈商人の習わし〉であります。

〈すみません〉の語源は済んでいないことですから、

お客様が満足するように済ませてください。

通りがかりで買うお客様よりも、

わざわざ来てくださるお客さまはありがたい。

 

「私は担当ではありません?」は禁句です。

初客は販売員と事務員の見分けはつかないのです。

「私は新人だからわかりません?」も禁句です。

端客は新入社員と経験社員とはわからないのです。

 

上役に胡麻することよりも

上役から胡麻すられるようになりなさい。

部下から胡麻すられることよりも

部下には胡麻をするようにしなさい。

お客さまは一つの品を選ぶために他店と

常に比較してから買っているのです。

愚かな店員は「あちらの店は高いから

 こちらで買ったほうが得ですよ!」と言います。

賢い店員は「あちらの店が当り前の値段です、

 手前どもの品は○○だから安いです!」と、

 自店の品の特長を説明して、

 他店の悪口を絶対言わないものです。

 

他店で買われた品に難癖をつけてはてならない。

それよりも「お客さまはセンスがよい!」と

言えば好感をもたれます。

約束ごとをすることは負債のはじまりであります。

でも、信用を得る最大のチャンスでもあるのです。

 

〈言い損ない聞き損ない〉で誤解されないように。

「何日で出来上がります」と言ってしまえば、

こちらは〈その日の夕刻にできあがる〉つもりでも、

お客はその日の朝に受けとりにくることがあります。

お客は王様です。

〈こちらの気持は少しも酌んではくれない〉と

思っていた方がよい。

だから「○○日に出来上がります」と

翌日の期日を伝えたほうがベターであります。

経費と設備は仕入原価のうちと思ってください。

すべてが高ければお客に安くは売られないのです。

 

 

お客が値切るのは〈安く買いたいためではなく〉て

〈他人より高く買いたくない〉の潜在欲からです。

だから、

安い店だからお客様が買いに来るのではありません。

立派な心がまえと良い品揃えがあるから来るのです。

 

他の店が損をしたからと笑うときは、

己が損をして笑われる時が忍び寄っているときです。

苦情があったときにこそ、

信用を得る最大のチャンスがきたと思えばよい。

お客が満足するような解決策であれば、

そのお客は永久に上客となるのです。

たとえ損をするようなことがあっても、

人気を得るための宣伝費と思えば、

三倍のお客を呼んでくることになるのです。

その逆に、その処置が悪く信用を無くすると、

三倍のお客を無くすことになります。

 

利益は目的ではなく奉仕の糧であります。

奉仕の報酬である利益を醸し出せばよいのです。

八時間しか働かぬ者は〈係長〉までの人です。

十六時間働いて〈重役〉となる人です。

二十四時間働くと〈社長〉となる人です。

「えっ、社長はいつ寝るのだ」と

社長たるもの〈寝ても仕事の夢〉を見ているぞ。

 

お客様は〈他店が安くはないか?〉と、

たえず他店と比較をしているのです。

 

あなたは〈会社に何をしてくれ〉と言うのか?

それより〈あなたは会社に何をしてくれる〉か?

〈あなたが稼がねば会社にはお金は無い〉のだぞ。

始業から終業時まで働くことは機械でよい。

機械は働いているのではなく動いているのだ。

 

同じ時間働いても

〈優秀な社員は三倍の知力〉を発揮して

三倍の良い成果を為している。

やる時に〈理屈をつけてはならない〉、

その〈理屈を自分の考えで付ける〉と危ない。

 

役職の肩書きに権利があるのではなく、

肩書きに対して責任を与えられているのだ。

ただ、その責任を果たすために権利があるのです。

商人ほど人の顔色を見なければならない

職業は他にはあまり見当たらない。

何故ならば、

たえず人の顔色に合わせておかなければ、

商売が上手に運ばないからです。

顔色を見るということは

相手の〈心の内を読み取る〉ことができます。

不況時こそ〈隘路が必要〉です。

その〈隘路〉とは、

同業者がどうしても真似ることが出来ない

特色のあることを発見することです。

そしてそれを実行すればよいのです。

小さな店より大きな店のほうが良く見えるものです。

でも、どんなに良く見える店もお客は

いつまでも盲目ではないものです。

 

「負けてくれぬなら他の店で買う」と言うお客は

脅迫に等しいものです。

お客に買わない権利があるように、

店側にも売らないで
よい権利があります。

だからと

売らないと「売らない権利」を度々用いていれば

「権利の乱用」となり、

お客を他店へ追いやることになります。